2009年10月30日金曜日

台湾

台湾マンガサミットに参加してきました。

マンガサミットも気がつけば4回目の参加。
台湾に着いたら生憎の雨模様、
何でも台風が来ているらしく初日からちょっと不安。

空港からバスで1時間くらいでマンガサミットが開催される淡水市に移動。
風景は日本と香港の中間くらいな感じかも。


初日はまず歓迎パーティー。
食事が丸テーブルに次から次へと運ばれてくるけど、
その量が半端じゃなくとても食べきれない(笑)
韓国でもそうだったけどこちらでも多分、
"食事を残すほど満腹になるまでもてなす"
って考え方なんじゃないでしょうか。



2日目、天気は曇りがちだけど雨は大丈夫な模様。
朝にホテルの部屋でデジカメをうっかり落としてしまい壊してしまう(泣)
かなりへこむが同室のI先生が使っていないデジカメを借して下さり感謝。

今日は丸々シンポジウムに当てられており各国のマンガの状況などの報告。
今回はマンガと教育がテーマ。

同時通訳が入るのだけれど、やはり正確にスピーチの内容を理解するのは難しい。

最後に各国代表が総合座談会を行ったのだけれど、
日本代表の里中満智子先生の言葉が印象に残ったので自分なりに要約。

「各国の話を聞いていると国からの支援の話などが出てきましたが、
日本のマンガは今まで国から支援を受けたことは一度もありませんでした。

日本は今まで色々な物を海外を手本に発展してきましたが、
マンガは何も手本にするものがありませんでした。

一時期日本のマンガは世界では受けないと言われてきました。
それは海外の基準と違うからです。
日本のマンガは勧善懲悪ではありません。
主人公は必ず勝つわけではないし、暗い話もある。
マンガの世界も海外の基準に合わせるべきだと言う人もいました。

でも日本のマンガ家はそうしませんでした。

今の日本のマンガの発展が有るのは、マンガ家が信じた物を描き続けたからです。」



夜は今回マンガサミットに参加されてる台湾の女性マンガ家の方たちと、
サミットで何度か御一緒させて頂いているAさん、
それから日本のマンガ家のGさんと淡水の町を観光。

こちらは夜の12時くらいまで当たり前に店が開いていてびっくり。
スクーターの量も凄い。
狭い道でもガンガン入ってくる(笑)
屋台もたくさん出ていて毎日が祭の様で楽しそう。

3日目はほぼ観光に時間が当てられており、

英国領事館跡見学
農場で昼食
その後原画展会場へ移動
近くのビール工場へ徒歩で移動、夕食
といった流れ。

農場で食事中に何やら新郎新婦があちこちで写真を撮影している。
こちらでは新婚カップルが屋外に設置されてる簡易セットで
記念写真を撮る風習があるらしく、
日本人の感覚からするとちょっと恥ずかしい(笑)


食事の後は台北の原画展会場へバスで移動。
原画展が行われた会場は昔の酒造工場跡だそうで、
今は憩いの場所として使われているのだとか。
中々趣が有る場所で良い感じ。



夕食の会場移動の途中に本屋さんに寄って、
いくつかこちらのマンガ家さんの本を購入。

馮展鵬
「密殺戰群 2」

表紙の絵をネットで見たことがあって以前から気になっていたので購入。
この人は台湾のマンガ家さんではなく香港人だそう。
絵はものすごくうまいけどあまりにも沙村広明に似ているのがチョッと残念。
マンガ自体はかなり面白そう。
でも中文はまったく読めない…


常勝
「BABY」

こちらも絵はかなりうまい。
表紙だけ見るとちょっと絵が硬い印象を受けたけど、
モノクロ原稿は自然な感じ。
どうやらデジタル仕上げの様。

こちらのマンガ家さんはデジタルの普及率ってどんなもんなんだろう。

他にもこちらの同人誌系の情報誌などを購入。
コスプレ写真が多数掲載されてました。

学校の生徒に後日見せたら結構みんな食いついてじっくり見てました(笑)

最終日は関空に帰るため、東京組みとは別に朝の5時半にホテルを出発。
大阪行きの3人だけでホテルを出るものと考えていたら、
何人か送迎ためにロビーに来ていてくれてびっくり。

チョッと感激しました。

4回目だけど今回のマンガサミットが一番活気があって楽しかったな。
みんな積極的にコミニケーションをとろうとしているのと、
精一杯の歓迎をしようとしているのが伝わってきて良かったです。

台湾是非また行きたいなぁ。

2009年10月8日木曜日

鈴鹿

3年ぶりに鈴鹿にF1観て来ました。
サーキットがかなり改修されてて見違えるよう。
メインスタンドの裏に各ドライバーのパネルがあって記念写真を撮れるようになってるんだけど、ライコネンの前だけ行列が(笑)

土日と観て来たんだけど予選がいきなり荒れ模様。
3回も赤旗が出る予選なんて記憶にないなぁ。


ドライバーズパレードでちょっとしたアクシデント。
ハミルトンの乗る車がトラブルでストップ、
急遽アロンソの車に同乗してサーキットを一周。
この2人今は別に仲が悪いわけじゃないのかな(笑)





優勝ベッテル。
決勝後メインスタンドでリプレイ上映でも観ようかと思っていたら、
なんとベッテルがピット前まで出てきてもう一度チームスタッフとシャンパンファイト。
その後ファンに向けて優勝トロフィーを掲げるファンサービス。
ベッテル良い奴!

チャンピオンシップがほぼバトンで確定しているためか、
客の入りはちょっと少なめだったみたい。
その分ゆとりをもって観る事が出来たので個人的には大満足。
来年も又来たいなぁ。

2009年5月22日金曜日

マジカルブルー

1994年
リイド社 全2巻
原作 朝松健
「マジカルブルー」

現代を舞台にした魔女が主人公の物語。
恐竜王とほぼ同時期に連載していた漫画。
恐竜王とはかなり作品の方向性も違っている。

基本的に1話完結の方式でページ数が少なかったため、
お話をまとめるのに苦労した記憶が。

欲を言えば1・2話目と最終回以外は全部1話完結だったため、
もっとゆったりと時間をかけた展開が描きたかった。
アクションシーンとかにページを割けなかったというのも有るし、
1話完結だとどうしても展開がパターン化してしまう。

今思うと月刊連載なので、どこから読んでも話がわかると言う構成は
妥当な判断だったのかもしれないけど。

1話目の語り手的なポジションの主人公も悪くないと思っていたけど、
それでは弱いと言う事で3話目以降は主人公視点がメインの展開に。
それでも主人公を含め主要キャラクターたちがチョッと真面目すぎるかなと当時は思っていた。
もっと自発的に動くキャラクターたちでも良かったかも。

多少の不良性やおふざけがあった方が良かったんだろうなぁ。

自分としては今でも全力を出して描いた漫画はコレかなと思っている。
代表作とするため頑張ったけど、今見返すと一巻目の作画レベルはあまり高くない。

どうにもキャラクターの絵が硬くポージングが不自然。
自身の心理を反映してかキャラクターが読者に感情移入されるのを拒絶しているような感じ。

スケジュールがタイトだったため、一巻目に関しては充分な描き込みが出来ていない部分もあり。
トーンワークなどは当時かなり頑張ったと思ったけど、今見返すと普通かも。

それでも現代を舞台にした話と言うのもあり、結構楽しんで作画出来た。
2巻目は自分でも当時の限界まで描き込みが出来たと思う。
稚拙だが自分の中でははずせない作品。

2009年2月20日金曜日

恐竜王

1994年
エニックス 全1巻
原作 川又千秋
「恐竜王」

一応こっちの方が初連載作品になるのかな。
このときは同時進行で「マジカルブルー」も描いてたので結構忙しかった。
以前にも書いたけどこの頃はもうファンタジー的なものに興味がなくなっていたので、
正直この仕事はつらかった。

また担当さんとの相性も悪く作画に今一身が入らなかったのも事実。
今思うと担当さんの指摘は正論なんだけど、
当時の自分は中々納得がいかない部分が多かった。

ネームで躓くことが多々あり同じ事務所の先生に手伝ってもらった事もしばしば。
またネームが通っても下書きチェックがあり、
それが自分を信頼されてないようにも感じていた。
これは推測だけど、多分原作者の川又氏も編集とはうまくいってなかったのではないだろうか。
原作、作画、編集とそれぞれ意思がばらばらなまま進行してしまった作品だと思う。

川又氏はデビュー作の「ブルーゾーン」の絵を気に入っていたらしいのだけど、
コレもタイミングが悪く、丁度自身が絵柄を変えたときだったので川又氏の望む物ではなかっただろう。

掲載後すぐに打ち切りが決まったけど正直ほっとした。
いま思うと仕事が終わるのを喜んでいたなんて信じられない。

でもこのときは本当にファンタジーが描けなかった。
今振り返ってみても自分の作風とファンタジーは相性が悪いと思う。

2009年2月9日月曜日

ミスト

「ミスト」って映画観ました。

原作はスティーブン・キングで「サイレントヒル」の元ネタ。
多分何も知らない人が見たら「サイレントヒル」のパクリじゃん!
ってくらい共通点が多い映画。

物語の筋はほとんど同じで街が原因不明の霧に包まれモンスターに襲われる、と。
サイレンが鳴ったり狂信的な女がいたり、
親子愛や人間不信がテーマなとこも同じ。
原作は未読だったけど、ここまで同じとは思わなかった。

あっ、主演女優も同じだった(笑

それでも「サイレントヒル」がオリジナルと言えるのは裏世界の存在があるからだろう。
(俺が無知なだけでコレも元ネタが有るのかもしれませんが)
それに我が子を助けるためならば、
という動機は人によっては自分の命よりも切実でしょうし、説得力が有る。
「ミスト」はそこにラストのオチが絡んでくるのだけれど、あれは結構痛烈。

狂信的な女が心底憎らしかったので、
あの女優さんの演技はたいしたもんだと思います(笑
後、軍人がいるのにあれほど何も活躍しない映画も珍しい。
何か意図が有るんだろうか?

ずしりと来る映画で面白かったです。

2009年1月20日火曜日

明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。

久しぶりに映画館で映画観ました。
「悪夢探偵2」

前作は結構肉体的な痛みの描写が多かったけど、
今回は心理的恐怖に重きを置いてました。
依頼者の女子高生が見る悪夢と主人公の悪夢(母親との過去)
がクロスする構成。

ハンディカメラがかなり激しいので、
途中チョッとわかりづらいところもあり。
でもこの人の映画ほど意識が暴走するのをうまく描写する人を他に知らない。

塚本作品のヒロインは凛とした眼力の強い女性が多いんだけど、
今回もよくぞ見つけてきたなって感じの子。
劇中後半につれてドンドン可愛くなってくのが不思議。

松田龍平の演技が良い。
悪夢の描写とあいまって、
そりゃぁそんな悪夢ばっかし見てたら主人公のような人間になるわな、
ってのがすんなり理解できる。
あの女性の幽霊怖かったなぁ。

体育館の3列に並んでいるトイレとか幽霊のピクニックとか底がないバスタブとか空虚なマンションで目線を合わさず仕事をする母親とかのシーンが好き。

ラストシーンが素晴らしい。

夜街を歩いているときに悪夢探偵の妄想して楽しんでます。